富岸(とんけし)川~カムイヌプリ(750m)~滝沢=2016.9.11

富岸川右股~カムイヌプリ(750m)~滝沢=2016.9.11

◆メンバー
今G、SHOGO、山シゲ、フナ、こーだま、ひとみ、おい、kuroneko(以上8人)
◆タイム
前泊地 鷲別岳(室蘭岳)山麓「白鳥ヒュッテ」
白鳥ヒュッテ➡カムイヌプリ登山口8:05➡富岸川右股8:50/9:00➡カムイヌプリ山頂11:45/11:55➡滝沢下降地点(鞍部)12:20/12:30➡牛舎奥支線林道第1分線(車残置場所)14:20<下山>

トラシナイ林道上から見たカムイヌプリ(正面やや右に最高標高750mポコ、正面にいる人物の真上に見えるのが742mポコ、その右奥に746mポコ)。左奥に鷲別岳が少し見えている
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この日の軌跡(総歩行距離11㌔ちょっと)
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動画


アイヌ語で神の山の意味を冠せられたカムイヌプリは、道東の摩周岳(857m)の別名としても知られるが、和名なしのカムイヌプリは、鷲別岳(911m)東方、登別市のこの山だけである。

富岸川右股を遡行して、沢の源流からカムイヌプリへ、そして北側の滝沢から牛舎奥支線林道第1分線に抜ける沢縦走になる。先月の台風の影響で北日高・芽室岳の沢山行が不可となり、代替山行として計画した。

低山だが、室蘭・登別方面の岳人が長年にわたり開拓してきた山岳エリアであり、尾根はもちろん、沢もルートがいろいろと開かれている。

この山域で定番の裏沢~鷲別岳~滝沢よりも、富岸川右股~カムイヌプリ~滝沢の方が楽しめるような印象を受けた。難しいところはなく、すっきりしていて楽しい。上流域からの入渓になるので河原がなく、赤い岩盤が延々と続く。長くもなく、余裕の日帰り行程の楽しい沢縦走ルートかと思う。

富岸川の「富岸」は「トンケシ」と読む。アイヌ語の「to-um-kesi」(沼尻の端)が語源になる。釧路でも釧路川河口周辺の湿地帯を「頓化」(とんけし)と呼んでいたが、同じ語源だろう。

登別市の「トンケシ」については、こんなアイヌ伝説が伝えられている。
<カムイヌプリに通じる道で一匹のウサギが沖の方に両手を突き出してしきりに何かが来るようなそぶりを見せていた。通りがかりのあるアイヌが「津波の到来」を察知し、トンケシの部落の皆に「津波が来るから早く逃げろ」と伝えたが、酒宴を盛大に開いていた6人の首領は耳を貸そうとせず、結局、トンケシ部落は津波によって滅びてしまった>

道立地質研究所も、噴火湾から富岸川沿いに津波が到来したであろう過去に触れ、この言い伝えを「北海道における津波に関するアイヌの口碑伝説と記録」というリポートの中で紹介している。
神の山を源流にした富岸川は、そんなエピソードを持つ川である。

白鳥ヒュッテで、すき焼きと明石焼きを囲んで杯が進んだ。
8人で語り合う小屋の夜。ヒュッテンレーベンの極みか
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一夜明けたヒュッテの朝。快晴、無風だ
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前日10日、鷲別岳山麓の白鳥ヒュッテに8人が集結し、すき焼き、明石焼きで宴会をさせてもらった。小屋番の春日功さん(77)にまたしてもお世話になった。ステキな小屋の時間をありがとうございました。

幌別湖からトラシナイ林道を上がった3合目、カムイヌプリ登山口で
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カムイヌプリ登山口脇のゲートからトラシナイ林道を歩く
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林道から水音が響く富岸川右股に入渓する
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出だしはこんな渓相だ
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翌11日、小屋で朝食を取ったあと、下山口の鷲別来馬川・牛舎奥支線林道第1分線に車を残置して、カムイヌプリ登山口へ。登山口に車を置いて、林道を小一時間歩いて富岸川右股に入渓。いきなりナメ床が続き、なかなか雰囲気のある遡行が続く。適度に滝も出てきて、釜のへつり、ナメ滝がミックスしており、飽きさせないものがある。
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ところどころで、必要に応じて「お助け」ロープを出す。c580二股は左股が山頂直登だが、水流のほとんどない右股が地元山岳会が使っているルートで、標識が付けられている。疎林帯を経て笹ヤブが出てくるが、きれいに刈り分けされていて、藪漕ぎなしで稜線の登山道に出ることができる。
カムイヌプリ山頂からは室蘭や登別の街並み、噴火湾が一望でき、爽快だ。

この沢はシャワークライミングのオンパレードだ
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灌木帯を行く。明瞭な踏み跡がついている
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見事なスギタケに見入る
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カムイヌプリ山頂で
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稜線上では、鷲別岳が指呼の間に見えて気持ち良い
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滝沢下降地点の鞍部で一息つく
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登山道をそのまま歩き、c596ポコ西側の滝沢下降地点から滝沢へ。滝沢は、名前の通り滝の連打となるが、問題となる場所にはすべてフィックス・ロープが設置されている。きれいなナメ床をたどっていけば、牛舎奥支線林道第1分線に出る。

滝沢の下降
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美しいナメ床が延々と続く
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帰路、野湯「川又温泉」(林道末端から700㍍)に寄るつもりだったが、時間が足りなさそうだったので、今後の宿題として帰路についた。

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# by babishe2009 | 2016-09-12 21:27 | | Comments(0)

積丹半島の奇峰「滝の沢~鉞(まさかり)山~カジ山沢」=2016年9月4日

積丹半島「滝の沢~鉞山(マサカリヤマ、779m)~カジ山沢」=2016年9月4日

■メンバー
フナ、半チャン、コバ、kuroneko(4人)
■タイム
珊内➡第1マッカ沢橋P5:59➡滝の沢出合6:15➡滝の沢c420地点9:45/10:10➡鉞山北コル11:02/11:15➡鉞山山頂12:35/12:57➡カジ山沢15:56/16:10➡珊内川本流出合17:28➡第1マッカ沢橋P17:40<下山>

神恵内村珊内(さんない)集落から見た鉞山
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  「まさかりかついで金太郎、クマにまたがりお馬のけいこ」。明治の唱歌に出てくる金太郎は、クマと相撲を取り、母に孝行する優しく元気な男児。そして肩に担いでいたのが鉞(まさかり)だ。
  鉞はもともと、戦闘用の武器として鎌倉時代に登場したそうで、斧(おの)の発展形だが、斧に比べて刃先部分が長い。
  積丹半島西部に位置する独特な頂稜部が印象的なピークが鉞山だ。鉞山山頂部は、両側がすぱっと切れ落ちており、その頂稜部がマサカリの刃になり、全長約400mある。長大な刃先は珊内集落から見ると奥行き部分となり、分かりにくい。
  ちなみに、昔の地図では、現在の滝の沢が湯ノ沢で、現在のカジ山沢が滝ノ沢になっていて、ややこしい。滝の沢(昔の湯の沢)は明らかに滝が多く、かつての地図表記が間違ってたということなのだろうか。 珊内川林道のゲートは開放されており、第1マッカ沢橋先まで車で入れる。

この日の軌跡
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   珊内集落から珊内川林道に入り、第1マッカ沢橋先の林道末端には登山者とみられる車2台が駐車していたので、橋の手前の広い場所に車をとめて林道末端まで歩き、測量用の刈り分け道を使って珊内川本流に降りた。
  先行記録を参考に、滝の沢を詰めて、山頂北の鞍部を目指し、あとは頂稜部を山頂までたどった。滝の沢には5~15m級の滝が6つあり、変化があって飽きさせない美渓だ。
  滝の沢C420から鞍部に延びる沢筋を詰めた。鞍部までは沢形だったので藪漕ぎは部分的だったが、鞍部上部から山頂、山頂から南西方向に延びる稜線上は、低木や根曲がり竹をつかんだり、かきわけたりの結構厳しい藪漕ぎを強いられる。
  山頂からは両サイドが急傾斜であるため稜線上を丹念に行くしかないが、一か所北側が真っすぐ切れ落ちたところがあり、この15mだけは南側側面をトラバースした。
  この頂稜からカジ山沢に抜ける斜面は濃密なブッシュにヤマぶどう類のツルが縦横無尽に走り、スピードががくんと落ち(100m進むのに15~20分くらいのペース)、えらく時間がかかってしまった。もっと早めにカジ山沢側に降りればよかった。
  カジ山沢は珊内川本流出合手前にある滝(標高差15m)以外は特に難しいところはなく、唯一のこの滝には右岸側に測量用の刈り分け道が付けられていた。この滝の下がすぐ珊内川本流で、対岸の第1マッカ沢をそのまま林道まで上がって下山した。
  遡行開始地点の標高が100mなので標高差700mもない低山だが、体力も含めた山技術の総合力を問われるなかなか手ごわい山、ルートであった。
  
  下山後は、珊内ぬくもり温泉で疲れを癒して帰宅に向かった。落ち着いたアットホームないい温泉だった。この温泉で、珊内岳(珊内川本流から往復)に入っていた知人4人パーティーと遭遇、双方とも林道に駐車していた車の持ち主を理解し、「あの車、そうだったのね」と合点がいった。

◆動画


滝の沢F1
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滝の沢F2
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滝の沢F3
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滝の沢F4
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滝の沢F5
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滝の沢F6
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滝の沢C420付近からみた頂稜の端っこ
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山頂北の鞍部へは沢形を詰める。ブッシュは薄い
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鉞山山頂は大岩がランドマークだ
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カジ山沢の滝(珊内川本流出合近く)。遡行(下降)部分ではこれ以外、滝はなかった
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滝の沢で随所にいたブドウマイマイ
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# by babishe2009 | 2016-09-06 23:29 | | Comments(0)

沙流川キャンプ&山行~①北日高岳、②雲知来内川~雲知来内岳=2016年8月27日~28日

夏の名残を楽しむー沙流川キャンプと山行で=2016年8月27~28日、日高町・沙流川オートキャンプ場

キャンプの夜はふけてゆく
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キャンプの模様(動画)


 日高山脈の最高峰・幌尻岳を最源流にした沙流川は、アイヌ語の別名で「シシリムカ」と呼ばれてきた。「川(河口)がすぐに土砂で詰まる」という意味になる。
  日高山脈では、プレートが受ける圧力の関係で山並みの西面、つまり日高側で土砂崩壊が起きやすいと言われており、とりわけ、この沙流川水系は雨が降るとすぐに濁ることで知られる。アイヌの古名には、経験則としてその因果の意が込められている。
  8月17日に台風7号、21日に台風11号、23日に台風9号―と、観測史上初めて3つの台風が同じ年、しかも同じ月に北海道に上陸した。
  特に11号は日高山脈を直撃し、日高町など日高地方で被害を出した。さらに山行後の30~31日には台風10号が北海道西方をかすめ、日高山脈周辺にも豪雨をもたらした。その結果、沙流川沿いの日高町千栄で全世帯に避難勧告が出され、雲知来内岳パーティーが渡った国道274号の千呂露橋が増水のため崩落し、国道が不通となってしまった。千呂露川はもちろん、雲知来内川もさらに荒れたと思われる。
  キャンプ場の脇を流れる沙流川は前日までの雨の影響もあって、茶色い濁流と化していた。相当な土砂を下流域に供給していることが容易に推察できる。1997年に完成した下流の二風谷ダムは完成後5年で、ダム湖の堆砂容量(ダム建設から100年間に堆積すると計算された土砂量)を超えており、自然の摂理は人知で計り知れないところがある。
 2週にまたがった大雨の余韻が残る8月27日~28日、16人が参加して、沙流川源流域にある日高町のキャンプ場で、ゆっくりのんびりキャンプの時間を楽しみ、尾根登山(北日高岳)と沢遡行(雲知来内岳)に分かれて休日を過ごした。2日間とも、事前の予報が見事にはずれ、晴天に恵まれた。
  洪水による林道崩壊や増水による濁りで、予定していたペンケヌーシ岳登山や釣りができなかったのは残念だった。キャンプを指揮したガミさん、料理に腕をふるったタミさん、食材買い出し、調理やテント、会場設営を手伝ってくれた皆さんに厚く感謝したい。
  夏のキャンプと山行をセットにした試みとして、2013年の島牧村・江の島海岸(千走川本流~狩場山)、2014年の鹿追町・然別峡野営場(幌加川五の沢~丸山噴泉塔)、2015年の上富良野町・白銀荘キャンプ場(アバレ川~美瑛岳など)に続いて企画した。短い北海道の夏、スローでメローなキャンプの時間にどっぷりと浸かり、日高らしい山に分け入るのも悪くない。
  台風10号は日高山脈の十勝側に大きな被害をもたらしたが、日高側の最奥に位置した(山)日高町千栄周辺も大きなダメージを受けた。1日も早い復興を祈りたい。

■キャンプ参加者
がみ、ひとみ、今G、ちーやん、あっきーら、あんべchan、たみ、あさみん、みやもん、まえかー、みうらー、くりぼー、福ちゃん、shogo、マリー、kuroneko=以上16人

■キャンプの模様
BBQコーナーで
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ハンモックで寛ぐ
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以下は、28日の沢班「雲知来内川右俣~雲知来内岳(1241m)~雲知来内川左俣」の記録である。
◎雲知来内川から雲知来内岳(1241m)=8月28日
■メンバー
shogo、福ちゃん、マリー、kuroneko(4人)
■タイム
貯水池脇6:02→c500二股6:59/7:02→c680滝7:41/8:07→雲知来内岳11:08/11:22→c500二股15:23→貯水池脇16:17<下山>
右俣はこんな感じだ
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左股はこんな感じだ
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沢山行のエッセンス(動画)

 「雲知来内」と書いて、「ウンチキナイ」と読む。アイヌ語でun-chikir-nayが音韻変化して un-chikin-nayとなり、「そこにいる・足(跡)・川」という意味になるとか。
 雲知来内川は、沙流川の支流である千呂露(ちろろ)川のさらに支流になる。右俣と左俣を合わせれば、滝、ヤブコギ、ゴルジュなど日高の要素がコンパクトに詰まった沢であり、山椒は小粒でもピリリと辛い日高の沢という印象を抱く。下降に使った左俣は上流域でゴルジュ帯が続き、なかなかの景観を秘めていることを付け加えておきたい。
 沙流川オートキャンプ場で朝食を済ませ、1台の車に乗り合わせて、日高町・千栄(ちさか)の千呂露川林道へ。千呂露川はまだ茶色く濁って増水していた。千本橋手前の脇道から雲知来内川沿いにある貯水池脇に車をとめさせてもらった。前日27日に偵察した時は茶色く増水した雲知来内川は白濁色に変わり、減水していた。しかし雲知来内川林道は台風の影響をもろに受け、貯水池先で大きくえぐれていた。橋のない林道であり、林道とはいえ渡渉が連続している上、河床に大きな段差ができており、現状では車での走行は無理だ。
 貯水池~c500二股は、左岸、右岸に付けられた雲知来内川林道跡と河原歩きで小一時間かかる。ここから右俣へ。c680のF1以降、いくつか滝が出てくる。詰めは結構な斜度の根曲がり竹のヤブコギになるが、ここを我慢して頑張れば、山頂周辺や尾根上のブッシュは薄くなる。
 山頂からの眺望は残念ながら、積雪期や秋に広葉樹が葉を落とさない限り、期待できない。三角点脇に山頂標識が据えられていたが、字は色あせて判読しにくくなっていた。
 山頂からは北に延びる尾根を小一時間進み、雲知来内川左俣の左俣を下降する。急な笹や草地帯を下降していくとc900くらいで水流とぶつかり、しばし火照った体をクールダウンさせた。
 結構斜度のある小滝をシャワーを浴びながらクライムダウンするのは神経を使った。人が入っていない沢なので、浮き石、転石が多い。
  そのうち見事なゴルジュ帯と遭遇、なんだか儲けたような気分になる。なかなか見ることができないミニゴルジュ地形。マイナーな沢も捨てたもんじゃない。1カ所、両岸が切れたち、フリーでのクライムダウンができない高低差10㍍くらいの滝が出てきて、ここはハーケンを2本打って懸垂下降で降りた。
  あとは二股まで特段難しいところはない。先行記録も参考に左俣の左俣沢は下降に適していると判断してこのルートを取ったが、ゴルジュ帯の通過がカギになる。30~31日の洪水により、国道274号の千呂露橋が崩落しており、雲知来内川もさらに相当に影響を受けたとみられる。

この日の軌跡(総歩行距離=15.008㌔)
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雲知来内林道は洪水により河床が広がり、大きくえぐられていた(帰りに撮影、貯水池手前)
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随所で、岩石や倒木が堆積していた。もともと崩れやすい地形に、台風3連発が加わっているゆえ、むべなるかな
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右俣c680付近の滝。高低差10m
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右俣の渓相
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山頂稜線に出て、雲知来内岳山頂へ
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ダケカンバと笹に囲まれた雲知来内岳山頂の三角点
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雲知来内岳山頂から北に延びる尾根を行く。ブッシュはこの程度の背丈だ
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左俣c800下部でゴルジュ地形がしばらく続く
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この滝は、ハーケン2本でピンを取って、懸垂下降で下った。下部はシャワーダウンになるので右の壁をつたった
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左股にはこんなゴルジュ滝が連なる
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# by babishe2009 | 2016-08-29 22:36 | 山行部 | Comments(0)

雷電山・湯内川~朝日温泉=2016年8月7日

雷電山・湯内(ユーナイ)川~朝日温泉=2016年8月7日

◆メンバー
ごっとん、ふなこっし、まっちゃん、サイ、りん、kuroneko(6人)
◆タイム
雷電温泉脇公共駐車場8:45➡F1下9:05➡F1上9:55➡人工物(鉄橋)12:40➡朝日温泉13:05<下山>

海抜ゼロmからの「純登山」。後方に見えるのが、無人化が進む雷電温泉郷
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 江戸時代、「蝦夷地三険」と言われた険しさで知られた内陸交通路がある。礼文華山道、猿留山道と、そして雷電山道だ。この雷電山道は、雷電海岸が人や馬の通行を阻む地形であるため、尻別川流域から雷電峠を越えて岩内を経由し、積丹半島や小樽方面に抜ける交通路として、多くの人や物資が行き来した「いにしえの道」である。
  その道中にあるのが、弘化元年(1844年)創業の朝日温泉。温泉の前を流れていたユーナイ川(湯内川)にちなみ、かつては「ユーナイの茶屋」「ユーナイの温泉」とも呼ばれていたという。
 今でこそ、海岸沿いには国道229号が整備され、容易に行き来できるが、その昔はこの山道が使われ、その中継地として朝日温泉が重要な位置づけとなっていたのだ。1960年代前半発表(時代設定は1947年)の水上勉の小説『飢餓海峡』、その映画版にも登場する名湯である。
 『飢餓海峡』の中では、「湯内川という川の渓間(たにま)にある小さな温泉」「ニセコではまあ、昆布、新見、朝日とわりと著名な温泉の一つです。しかし、五、六軒しか宿はありません」「三軒目にこの村で一ばん大きいといわれる朝日館と看板のかかった宿に入った」と記されており、かつては小集落をなしていたということなのだろうか。現在の朝日温泉の「山奥」感から考えるに、フィクションなのか、事実なのか、気になる。
 国道沿いにある雷電温泉郷は、国道が開通した1963年以降の開業というから、内陸にある雷電山道上の朝日温泉のほうがはるかに古い歴史を誇っている。
 歴史ある朝日温泉(宿泊定員20人)は2010年7月末、集中豪雨で建物一階内部に土砂が流れ込み、休業に追い込まれた。
 当初は営業再開目指して管理人さんが復旧工事をしていたようだが、玄関や窓は板が打ち付けられたまま。ホームページには「休業中」となっており、現時点では廃業ではないようだ。
 ただ、海岸沿いの雷電温泉郷はかつて温泉宿9軒が営業していたそうだが、現在は海が見える露天混浴、内風呂半浴で知られる「三浦屋旅館」1軒のみが営業)という状況で、その4㌔奥地にある朝日温泉がうまく営業再開にこぎつけることができるのか、少々不安を覚えざるを得ない。逆に山奥のひなびた歴史あふれる名湯ということをウリにして、秘湯が復活できないものか。温泉を所有する札幌のIT企業に期したい。
 海岸沿いの雷電温泉郷も、国道沿いという好立地条件を生かし、何とか細々とでも営業を維持できればよいのだが。ロケーションが素晴らしいだけに、廃墟化が進んでいる現状は見るに忍びない。

この日の軌跡。地形図上では陸地になっている海岸沿いの岩盤帯の一部は満潮時には海となる
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 雷電海岸の波打ち際を6人で海を渡り(3人は泳ぎ、3人は岩壁をへつる)、雷電の歴史を刻んできた湯内川を朝日温泉まで遡行した。この日は道内各地で気温が30度以上まで上がり、遡行には絶好の天気となった。

 スタート地点は、雷電温泉郷脇の公共駐車場。朝日温泉に車1台をデポさせてもらい、この駐車場を発着地点とした。

 湯内川遡行は海、川とも濡れが必定であるため、暑くなる8月がベストかと思われる。干潮に合わせて行けば海岸沿いは泳ぐまでもないが、「純登山」を実感するには海を行くのも悪くない。
ただ、この時期の湯内川中流域~朝日温泉周辺のアブは半端でない。気温が上昇すると、執拗な「総攻撃」を受ける可能性があるためアブが不活発な早めの出発、虫対策は怠れない。半袖はやめた方がいい。

動画(序盤の海岸沿いを中心に)


国道を挟んで駐車場の向かいに、海岸に降りる階段が設置されている
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しばらくは海岸沿いの岩場を行く
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3人は岩場沿いの海を行き、3人は岩場をへつって、湯内川の河口へ
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河口から見たF1
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右岸側にハーケン1本打って支点を取った
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F1の途中からの光景。結構な水流だ
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F1を登り、旧国道までさらにもう一登り
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旧国道まで上がると、こんな景色が待っている
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やがて、封鎖された「弁慶トンネル」と「雷電隧道」の切れ目の旧国道に出る。
岩内側から見て「弁慶トンネル」出口
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岩内側から見て「雷電隧道」入り口
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あとは、こんな渓相になる
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この人工物出てくれば、ゴールまであと20分くらいだ
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ゴール前の最後の滝を行く
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ゴールの朝日温泉
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# by babishe2009 | 2016-08-08 20:32 | | Comments(0)

三峰山沢~富良野岳(1912m)=2016年7月31日

三峰山沢右俣~富良野岳(1912㍍)=2016年7月31日

赤い岩盤のスラブが特徴的な沢だ
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◆メンバーフナ、ごっとん、福ちゃん、おいちゃん、ミウラー、今じい、kuroneko(7人)
◆タイム白銀荘5:30➡バーデンかみふらの脇6:02➡三峰山沢二股7:30/7:46➡九重ノ滝下部7:55/8:50(Ⅿさんがケガ、応急処置)➡華雲ノ滝10:08/10:25➡稜線<三峰山・富良野岳の分岐>12:25/13:05➡凌雲閣横駐車場14:30<下山>

この日のエッセンス


この日の軌跡
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 カミホロカメットク山(1920㍍)~三段山(1744㍍)を源流にしたヌッカクシ富良野川は、「バーデンかみふらの」脇で、富良野岳~上富良野岳(1891㍍)を源流にした三峰山沢と合流する。富良野岳~上富良野岳の中間峰が三峰山(1866㍍、さんぽうざん)であり、この山名が沢名の語源になった沢だ。したがって、一部ガイド本の記載「みつみねやまざわ」は誤りで、「さんぽうざんさわ」が正しい読みである。左俣は上富良野岳へ、右俣は富良野岳に登るルートになる。左俣より右俣の方が難易度は高い。
 7月30日、白銀荘に7人が集結して、夜は楽しい時間を過ごした。明けて31日は午後からは雨が降ってもおかしくない状況であり、午前中勝負と考えた。「華雲ノ滝」通過までに豪雨にならなければ何とかなると判断した。
 白銀荘出発時、青空が広がっているが、富良野岳上方には雲がかかっていた。

バーデンかみふらの脇から道道を少し下がって入渓点へ
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 下山口になる凌雲閣脇駐車場に車1台をデポし、バーデンかみふらの脇駐車帯を起点とした。道道を少し下がり、積雪期のジャイアント尾根の登り口の徒渉地点からヌッカクシ富良野川と三峰山沢を渡って三峰山沢左岸の林道跡を行く。途中、4つの堰堤を左岸側から越えたあと、最後の5つ目の大きな堰堤を越えた先が左俣と右俣を分かつ二股だ。

最後の堰堤を越えれば二股だ
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三峰山沢の二股から見た「九重ノ滝」
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 二股の河原にでると、目指す右俣の出だしの難関、九重ノ滝が行く手を阻むように見える。
なかなかの迫力で、メンバーから「これ、登れるの?」という声が上がる。が、斜度はほどほどのスラブであり、フリクションを効かせれば何とかなる。が、スリップすれば相当な距離を落下することになるので、この沢でもっとも神経を使うポイントになる。

九重ノ滝SHOTS
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 赤い岩盤のスラブがいくつも断続しているので、「九重」ということなのだろうが、どこからどこまでが「九重ノ滝」なのか判然としない。出だしからしばらくの間、大小の滝、ナメ床とナメ滝が断続する。
 「九重ノ滝」出だしの概ね向かって左側(右岸)沿いにルートを取るが、出だしの2段目の登りで、4人が平坦地に達したあと、上方からこぶし大の石が落下してき、Mさんの口元に当たり、出血。Kと2人で約5mクライムダウンして最下部まで下がり、現況を判断。幸い、骨、歯には影響はなかったが、唇の上が1.5㌢くらいの裂傷。とりあえず止血し様子を見る。上方に上がった5人に無線で状況を伝える。抗生剤を車に置いてきたことなどから、①撤退、②パーティーを継続と撤退の2つに分けるーことなどを考えるが、医師でもあるMさん自身の検分、意向も踏まえ、山行継続とした。

九重ノ滝から上は断続的にナメ滝、ナメ床が連なる
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 現場に小1時間とどまったあと、九重ノ滝をさらに登って、その後のナメ床&ナメ滝帯を行くと、やがて、20㍍と10㍍の2連滝「華雲ノ滝」が姿を見せる。

「華雲ノ滝」
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左岸につけられた巻き道(踏み跡)を使って15分で滝の上に出る。この巻き道上からは稜線に至る沢筋の全容が見渡せる。若干雲がかかっているが、割合きれいにのぞめた。

「華雲ノ滝」高巻き時から見た源頭の光景
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やがて雪渓帯が断続する
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 Mさんのケガのこともあったので、できるだけ早い下山を考え、山頂方向のお花畑は目指さず、登山道への最短距離を狙って沢筋を進み、お花畑の脇を詰めて、ハイマツこぎ15分で登山道へ。富良野岳山頂往復もカットし、あとは登山道を凌雲閣までたどった。

源頭のお花畑帯を行く
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登山道まで、ハイマツ林をこぐ
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登山道に出て夏山にシフトチェンジ、下山へ
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 この日は前日に続き、北海道北方の低気圧に向けて南から温かく湿った空気が入り込み、大気が不安定となり、上川管内で局地的に雨雲が発達。昼過ぎには十勝岳連峰山麓の上川管内美瑛町で1時間当たり90㍉の記録的豪雨となり、14時半ごろ、上富良野町で河川が氾濫、床上・床下浸水被害も出たという。稜線付近に出た時の遠雷がその名残だったと思われるが、われわれは山行中雨にも当たらず、富良野岳周辺はさほどの雨は降らなかったと思われる。局地的に入り込む雨雲の妙というべきか。
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# by babishe2009 | 2016-08-01 20:50 | | Comments(0)
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札幌発バビシェ・マウンテン・クラブの活動記録です


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