沙流川キャンプ&山行~①北日高岳、②雲知来内川~雲知来内岳=2016年8月27日~28日

夏の名残を楽しむー沙流川キャンプと山行で=2016年8月27~28日、日高町・沙流川オートキャンプ場

キャンプの夜はふけてゆく
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キャンプの模様(動画)


 日高山脈の最高峰・幌尻岳を最源流にした沙流川は、アイヌ語の別名で「シシリムカ」と呼ばれてきた。「川(河口)がすぐに土砂で詰まる」という意味になる。
  日高山脈では、プレートが受ける圧力の関係で山並みの西面、つまり日高側で土砂崩壊が起きやすいと言われており、とりわけ、この沙流川水系は雨が降るとすぐに濁ることで知られる。アイヌの古名には、経験則としてその因果の意が込められている。
  8月17日に台風7号、21日に台風11号、23日に台風9号―と、観測史上初めて3つの台風が同じ年、しかも同じ月に北海道に上陸した。
  特に11号は日高山脈を直撃し、日高町など日高地方で被害を出した。さらに山行後の30~31日には台風10号が北海道西方をかすめ、日高山脈周辺にも豪雨をもたらした。その結果、沙流川沿いの日高町千栄で全世帯に避難勧告が出され、雲知来内岳パーティーが渡った国道274号の千呂露橋が増水のため崩落し、国道が不通となってしまった。千呂露川はもちろん、雲知来内川もさらに荒れたと思われる。
  キャンプ場の脇を流れる沙流川は前日までの雨の影響もあって、茶色い濁流と化していた。相当な土砂を下流域に供給していることが容易に推察できる。1997年に完成した下流の二風谷ダムは完成後5年で、ダム湖の堆砂容量(ダム建設から100年間に堆積すると計算された土砂量)を超えており、自然の摂理は人知で計り知れないところがある。
 2週にまたがった大雨の余韻が残る8月27日~28日、16人が参加して、沙流川源流域にある日高町のキャンプ場で、ゆっくりのんびりキャンプの時間を楽しみ、尾根登山(北日高岳)と沢遡行(雲知来内岳)に分かれて休日を過ごした。2日間とも、事前の予報が見事にはずれ、晴天に恵まれた。
  洪水による林道崩壊や増水による濁りで、予定していたペンケヌーシ岳登山や釣りができなかったのは残念だった。キャンプを指揮したガミさん、料理に腕をふるったタミさん、食材買い出し、調理やテント、会場設営を手伝ってくれた皆さんに厚く感謝したい。
  夏のキャンプと山行をセットにした試みとして、2013年の島牧村・江の島海岸(千走川本流~狩場山)、2014年の鹿追町・然別峡野営場(幌加川五の沢~丸山噴泉塔)、2015年の上富良野町・白銀荘キャンプ場(アバレ川~美瑛岳など)に続いて企画した。短い北海道の夏、スローでメローなキャンプの時間にどっぷりと浸かり、日高らしい山に分け入るのも悪くない。
  台風10号は日高山脈の十勝側に大きな被害をもたらしたが、日高側の最奥に位置した(山)日高町千栄周辺も大きなダメージを受けた。1日も早い復興を祈りたい。

■キャンプ参加者
がみ、ひとみ、今G、ちーやん、あっきーら、あんべchan、たみ、あさみん、みやもん、まえかー、みうらー、くりぼー、福ちゃん、shogo、マリー、kuroneko=以上16人

■キャンプの模様
BBQコーナーで
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ハンモックで寛ぐ
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以下は、28日の沢班「雲知来内川右俣~雲知来内岳(1241m)~雲知来内川左俣」の記録である。
◎雲知来内川から雲知来内岳(1241m)=8月28日
■メンバー
shogo、福ちゃん、マリー、kuroneko(4人)
■タイム
貯水池脇6:02→c500二股6:59/7:02→c680滝7:41/8:07→雲知来内岳11:08/11:22→c500二股15:23→貯水池脇16:17<下山>
右俣はこんな感じだ
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左股はこんな感じだ
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沢山行のエッセンス(動画)

 「雲知来内」と書いて、「ウンチキナイ」と読む。アイヌ語でun-chikir-nayが音韻変化して un-chikin-nayとなり、「そこにいる・足(跡)・川」という意味になるとか。
 雲知来内川は、沙流川の支流である千呂露(ちろろ)川のさらに支流になる。右俣と左俣を合わせれば、滝、ヤブコギ、ゴルジュなど日高の要素がコンパクトに詰まった沢であり、山椒は小粒でもピリリと辛い日高の沢という印象を抱く。下降に使った左俣は上流域でゴルジュ帯が続き、なかなかの景観を秘めていることを付け加えておきたい。
 沙流川オートキャンプ場で朝食を済ませ、1台の車に乗り合わせて、日高町・千栄(ちさか)の千呂露川林道へ。千呂露川はまだ茶色く濁って増水していた。千本橋手前の脇道から雲知来内川沿いにある貯水池脇に車をとめさせてもらった。前日27日に偵察した時は茶色く増水した雲知来内川は白濁色に変わり、減水していた。しかし雲知来内川林道は台風の影響をもろに受け、貯水池先で大きくえぐれていた。橋のない林道であり、林道とはいえ渡渉が連続している上、河床に大きな段差ができており、現状では車での走行は無理だ。
 貯水池~c500二股は、左岸、右岸に付けられた雲知来内川林道跡と河原歩きで小一時間かかる。ここから右俣へ。c680のF1以降、いくつか滝が出てくる。詰めは結構な斜度の根曲がり竹のヤブコギになるが、ここを我慢して頑張れば、山頂周辺や尾根上のブッシュは薄くなる。
 山頂からの眺望は残念ながら、積雪期や秋に広葉樹が葉を落とさない限り、期待できない。三角点脇に山頂標識が据えられていたが、字は色あせて判読しにくくなっていた。
 山頂からは北に延びる尾根を小一時間進み、雲知来内川左俣の左俣を下降する。急な笹や草地帯を下降していくとc900くらいで水流とぶつかり、しばし火照った体をクールダウンさせた。
 結構斜度のある小滝をシャワーを浴びながらクライムダウンするのは神経を使った。人が入っていない沢なので、浮き石、転石が多い。
  そのうち見事なゴルジュ帯と遭遇、なんだか儲けたような気分になる。なかなか見ることができないミニゴルジュ地形。マイナーな沢も捨てたもんじゃない。1カ所、両岸が切れたち、フリーでのクライムダウンができない高低差10㍍くらいの滝が出てきて、ここはハーケンを2本打って懸垂下降で降りた。
  あとは二股まで特段難しいところはない。先行記録も参考に左俣の左俣沢は下降に適していると判断してこのルートを取ったが、ゴルジュ帯の通過がカギになる。30~31日の洪水により、国道274号の千呂露橋が崩落しており、雲知来内川もさらに相当に影響を受けたとみられる。

この日の軌跡(総歩行距離=15.008㌔)
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雲知来内林道は洪水により河床が広がり、大きくえぐられていた(帰りに撮影、貯水池手前)
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随所で、岩石や倒木が堆積していた。もともと崩れやすい地形に、台風3連発が加わっているゆえ、むべなるかな
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右俣c680付近の滝。高低差10m
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右俣の渓相
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山頂稜線に出て、雲知来内岳山頂へ
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ダケカンバと笹に囲まれた雲知来内岳山頂の三角点
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雲知来内岳山頂から北に延びる尾根を行く。ブッシュはこの程度の背丈だ
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左俣c800下部でゴルジュ地形がしばらく続く
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この滝は、ハーケン2本でピンを取って、懸垂下降で下った。下部はシャワーダウンになるので右の壁をつたった
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左股にはこんなゴルジュ滝が連なる
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by babishe2009 | 2016-08-29 22:36 | 山行部 | Comments(0)
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札幌発バビシェ・マウンテン・クラブの活動記録です


by babishe2009
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