社台川~社台滝=2015年10月17日
■インパクトある風貌
■滝をバックに記念のショット
■社台川は紅葉に染まっていた
■メンバー ひとみ、なかじー、ヤマクニ、フナコッシ、のん、まろ、カットー、トド、kuroneko=以上9人
■タイム 社台川本流林道倒木封鎖地点手前7:40➡林道末端河床8:25/40➡社台滝下11:10/50➡倒木封鎖地点手前➡林道末端14:15➡社台川本流林道倒木封鎖地点手前15:05<下山>★白老町ポロト湖畔の「ポロト温泉」で汗を流して帰札。
今から数万年前、支笏火山(噴火後のカルデラが現在の支笏湖)が噴火し、長期にわたり大量の噴出物が石狩低地帯中心に降り積もった。
噴出物が地上に降下後、自身の熱と重量で溶けて固まってできたのが、溶結凝灰岩で、比較的柔らかい。道央地方では、札幌軟石が有名だが、社台滝もこの噴火の過程で形成された溶結凝灰岩にできた滝である。
上流域である白老町森野周辺は道内でも有数の豪雨地帯。その大量の降雨が社台川の流れとなり、太平洋に出る途中、火山噴出物がつくった大地を浸食し、川沿いには深い河岸段丘が形成された。
地形図をみると、社台川の両岸は深い段丘崖になっていることが分かる。その段丘のどん詰まりに社台滝は位置している。社台川の流れが狭い落ち口から段差を流下する過程で、この不可思議な造形ができあがったのだ。気の遠くなるような時間の経過のなせる技であろうか。
◆この日の軌跡。総歩行距離は15.752㌔
滝上の標高400㍍付近、地図と現地の目測で判断する限り、標高差100㍍、幅100㍍か。正確なところは分からないが、高低差、幅ともに道内有数の規模であることは間違いない。何よりも、滝を流下する水流が削り取った独特の滝の面の不可思議な造形の異様さは、国内でもそうそうないだろう。
川底や川岸には、流下する石がくぼみに入り込み、その浸食作用によって「甌穴(おうけつ)」と呼ばれる円形の穴ができるが、それが滝の面にできたものであろう。
9人で国道36号沿い、白老町の某コンビニで集合し、別々川沿いの林道からインクラの滝入り口前を通って、社台川本流林道へ。事前に胆振東部森林管理署に入林申請し、ゲート番号を教えてもらってはいたが、10月9日、台風23号から変わった温帯低気圧の通過に伴い、社台本流林道ではゲート先~林道終点で随所で倒木が林道をふさぎ、ゲート先ですぐに通行止めとなっていた。
■林道は至るところで、温帯低気圧通過に伴う風倒木が林道を塞いでいた
■林道わきにはヒグマの爪痕が木肌に残されていた
倒木は、11月に除去するそうなので、歩くしかない。小一時間余計に林道を歩くことになったが、ピーカンの青空、紅葉を楽しみながら、いいウオーミングアップになった。
◆林道末端から沢へ
林道終点からはそのまま踏み跡をたどれば社台川に労なく出ることができる。あとは沢の中を右に左に行くだけだ。晩秋なので水量も減り、せいぜい膝上。濡れは気にならなかった。気温は20度近くまで上がったと思われ、寒さは感じなかった。水量の多い夏場ならば、もっと深いかもしれない。
■右に左に社台川を横断する
■沢沿いに広がる秋色の光景
途中、右岸には「カーテン岩」と呼ばれる見事な柱状節理を見ることができる。ある程度進むと両岸ともかなりの段丘崖になっている。一か所、沢が深い水の溜まり場があり、左岸の濃密な根曲竹帯の藪漕ぎ約百㍍を強いられた。夏ならば中央突破でよいのだろうが、この時期は腰以上の濡れは回避したいので。
■「カーテン岩」とはよく言ったものだ。命名者は函館のグチパパ(坂口一弘さん)のようだ。見事すぎる柱状節理
■沢の脇では、火山噴出物が大量に降り積もった痕跡が随所でみられた。どれくらいの時間の経過があったのだろうか
■晩秋の沢の恵み。倒木に群舞するムキタケと乱舞する登山者。ほかにエノキ、ナラタケ(ボリボリ)も収穫できた
河原歩きはやがて、大岩の間を登るようになるが、さして問題になるところはない。ただ段差がそれなりにあるところもあるので、ヘルメットはしたほうがよいだろう。段丘を登らない限り、ロープ、ハーネス、ガチャの類いは不要だ。ザックに入れておけばよかろう。
しっかり歩けば、アップダウンはあるが、やがて目的地に達することができる。ただ、途中、崩壊地が少なくなく、降雨時、降雨後には注意が必要である。大量降雨➡浸食➡崩壊➡深い河岸段丘の形成は現在も進行中なので、崩壊は必定と考えるべきだ。
社台本流林道の倒木の除去は11月になると聞いた。通常時ならば林道末端まで車で入れると思われるが、末端の1㌔くらい手前に道路崩壊箇所が2か所あり、車で通行できるかどうか微妙な感じもうけた。事前に胆振東部森林管理署に照会するとよいだろう。
社台滝の上に出ることができる林道ルートが国道からあるが、林道走行は1時間以上を要する。
(by kuroneko)
■撮影・トド(動画)
■「社台滝」の表情