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パンケ目国内川~パンメク湿原~目国内岳(1220㍍)=2012年9月1日

パンケ目国内川~目国内岳(2012年9月1日)
 ■メンバー マルちゃん(L)、もじ子、もっち、黒猫
 ■タイム 車駐車地点5:06⇒下二股6:01⇒7連堰堤先6:42⇒上二股7:58⇒三段釜持ちの滝8:24-10:20(2段目、3段目でザイル使用)⇒F12天上飛龍の滝-F13(F12の登りでザイル使用、左岸を高巻く)13:10-14:22⇒パンケメクンナイ湿原15:31/15:56⇒目国内岳16:40/16:50⇒新見峠(下山)18:15


遡行のエンディングは美しいパンケメクンナイ湿原
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 札幌近郊では難易度が高い沢の一つ、パンケ目国内川は、尻別川下流域から分かれる目国内川の支流だ。アイヌ語で「パンケ」は「ペンケ」(上)に対する「下」の意味で、目国内岳(1220㍍)を水源にして「上」流域のペンケメクンナイ川に対する下流域のパンケメクンナイ川ということになる。「メクンナイ」は「暗き川」とか「物の背後にある谷川」という意味だそうだ。沢のエンディングが心地よい湿原で、沢からこの湿原を見た時の感動はなかなかのものがあり、癒しの沢であった。

この日のログ
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 8月31日夜、2台の車に分かれて札幌を出発。トイレのある新見峠駐車場で車内宴会をしたあとテントと車に分かれて泊まった。4人とも勤務終了後の移動だったので、毎度のことながら疲労は隠せない。しかし、明日は長丁場。ここは頑張って早起きで。
 9月1日は午前3時半起床。1台を新見峠駐車場にデポして、約30分かけて、パンケメクンナイ川の左岸林道C220付近まで入り車をとめた。身支度を整えてしばらくは左岸の林道跡を進んだ。かなり荒れた林道だったが、地図上C280までは車で何とか入れる状況だった。そこからさらにしばらく林道跡の踏み跡を進み、入渓。9月というのに朝からムンムンする熱気のもと沢水が心地よかった。歩きだしから下二股までは約1時間。左股に入ると旧式の堰堤が7つ続き、左岸、右岸を巻いて通過した。

7つめの最後の堰堤。堆石が際まで埋めていた。中流域両岸の崩落の激しさを物語る
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こんな滝、へつりが続いた
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こんな奥地までよくぞつくったなという7連堰堤は昭和50年代前半のしろものらしい。流出岩石の多さを痛感する。堰堤工事当時の林道は跡かたもない感じだった。上二股までは何ということのない沢だが、この二股先に出てくる「3段釜持ちの沢」が最大の難所となる。1段目は何ということはないが問題は2段目、3段目。2段目は水流脇右岸から突破を試みるも、黒猫が滝最後の出口で水流の中に置いた右足が水流に流され、滝つぼまで約5㍍落下。丸ちゃんが突破し、上部からのビレイで後続が続くも、モジ子も落下、なかなか微妙なところがあった。滝の抜け口が結構な水流の中の足場となり、ここのクリアがカギになる。3段目は手前左岸を巻いた。この3段釜持ちの滝だけで2時間を要してしまった。

 あとは登れる滝が続き、暖かい日ならばシャワークライムが楽しめる。F12は天上飛龍の滝と呼ばれている高さ25㍍の滝で、水流の内側に入れる。全員、滝下で水流に打たれて身を清めた。これは直登不能なので左岸を高巻くが、丸ちゃん以外はF13も一緒に高巻いてしまい、この藪こぎが密生根曲がり竹で、1時間以上かかってしまった。F12のすぐ脇をトラバースすればよかったと反省。

3段釜持ちの滝の2段目右岸側を行くもじ子。この先の抜け口で2人がドッペった
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高巻き中のもっち
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天上飛龍の滝。左岸を高巻くも上がりすぎてしまい、F13も一緒に巻くことになってしまった
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パンケメクンナイ湿原から登山道へ。小川のような源頭、風渡る湿原、たおやかな稜線の光景…終幕の「映像」は印象深く眼前を流れていった
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 F13の先は水量のすくなくなった沢をひたすら歩き、やがて前方が平坦地になってくると源頭は近い。と思って平坦になった沢を進むが、これが意外と距離があった。足元がドロドロしてくるとようやくパンケメクンナイ湿原。これは素晴らしい光景だった。この湿原に至るまでが内容のある行程なので、感動も手伝い、実に爽快な光景だった。湿原を沢なかから見るのも悪くない。湿原のすぐ脇に登山道が走っていたので、湿原から登山道に上がり、ハーネス、沢靴などをはずして、気分一新した。
 しばし休息のあと、登山道を目国内岳まで。登山道はしっかりしているのだが、皆、疲労からか足取りは重い。稜線ではさわやかな風が吹いていて、心地よかった。あとは前目国内岳(980㍍)を乗っ越して新見峠へ。何とか明るいうちに下山できた。13時間強の長い長い一日だった。寝不足の中、新人のもじ子、もっち、2人ともよく頑張った。道央の名渓、湿原、2つのピークをクリアし、その達成感からよろこびがふつふつと湧いてくる。
 下山後は新見温泉で軽く汗を流して、登り口に置いてきた車を回収、コンビニでアルコールを仕入れて、ニセコ町近藤地区の「大魔人山荘」へ。2週連続で大魔人山荘にお世話になってしまった。ベランダで炭火焼きをお願いし、サンマ、肉類を焼き、この日、大魔人が収穫したトウキビが花を添えた。(by kuroneko)

一夜お世話になったニセコ・大魔人山荘と大魔人。美味しいトウキビとトマトまでいただいた(9月2日)
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by babishe2009 | 2012-09-02 21:46 |
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札幌発バビシェ・マウンテン・クラブの活動記録です


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